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音源探査入門_第1回
音源探査は、言葉も含めて馴染みのない皆様も多いと思います。ご存じの方であっても、異音の問題を解決するための便利なツールという程度の認識ではないでしょうか。しかし実は、音響カメラに限っても、世界市場で2024年に約300億円規模、その後10年内には約520億円規模へ成長するとする市場調査もあり、関連するマイクロホンアレー、解析ソフト、受託計測サービスまで含めると、一定の市場規模を持つ分野といえます。
音源探査とは文字どおり、音の出どころ、すなわち音源を調べる技術です。そのアプローチ、つまり解析原理には、ビームフォーミング、音響ホログラフィー、音響インテンシティー、インテンシティープローブ法などがあります。また、熟練度の高いエンジニアは自らの「耳」を武器とできる点で、聴覚という医学分野や心理音響とも関係しており、技術的・学術的にも非常に奥の深い分野といえます。
音源探査は市場においても確立された技術として広く認知されており、その目的は、異常音が発生する部位の特定から、騒音対策、振動要因の把握、製品音の改良・検証まで多岐にわたります。
ところで、軍事・防衛分野で発展した技術が、のちに民生分野へ応用される例は少なくありません。音源探査の技術にも、第一次世界大戦期に接近する航空機の方向を把握するための聴音装置など、初期の取り組みを見ることができます。
現在普及している市場を導いた大きなエンジンのひとつは、1990年代にドイツで開発が進み、2000年代初頭に商用化されたアコースティックカメラです。従来は専門性が高く、扱いにくい面もあったマイクロホンアレー解析を、光学画像と重ね合わせることで、現場で理解しやすい音源可視化システムとして普及させました。
おもしろいことに、開発者自身は、いわゆるNV業界に所属しておらず、ドイツ国内外の技術賞に輝いたこのシステムについて、当時一般的に知られていたビームフォーミングとは異なる考え方として、独自の呼称で解析手法を説明していました。
このアコースティックカメラの登場を契機のひとつとして、もともとNV業界に所属していた老舗メーカーも刺激し、ビームフォーミングに改めて脚光が当たり、2000年代から、コマーシャルベースでも登場するようになりました。特に、それまで1億円前後した音響ホログラフィーなどの音源探査システムに比べ、数千万円規模で導入可能になったことも魅力的でした。
日本国内には、2005年、2006年ごろに、日本を代表するメーカーへ導入されていきました。当時は限られた企業のみが参入していた市場も、2025年現在では、海外メーカー、国内代理店、受託計測会社を含め、多くの企業が関わる市場になっています。その手法の中心は、ビームフォーミングに基づく、もしくはビームフォーミングを変形したシステムといえます。
もちろん、その他にも有効な手法があり、それらのアルゴリズムをおさえることは、音源探査の領域のみならず、構造解析の分野を理解するうえでも有益です。
・・・・次回へ続く
※事情により、一部、個人名、社名、情報ソースを伏せた内容となりますこと、何卒ご容赦ください。
※音源探査の普及につながるイノベーションが、伝統的なNV業界の外から生まれたことは、他の技術分野における多くのイノベーションにも共通して見られる現象といえます。
※御多分に漏れず、この分野でも中国や韓国のメーカーが安価で優れた製品をリリースしており、弊社でも取り扱っています。
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